私たち人間が生命を維持するために、そして人と文化と世界を平和的に繋ぐために、食は欠かせないファクターです。今、この地球では、安心・安全で健康的な食を持続的に供給することが非常に難しい時代を迎えています。そんな今だからこそ、あらゆるジャンルを超え、人類共通の課題である『持続可能な食』の現在と未来に ついて考えることが必要なのではないでしょうか。
業種、ジャンル、あらゆるボーダーを超えて、多様な参加者の方々が学んでいます。
フードクティビスト オーガニゼーション ジャパン 代表 田中愛子
2021年スタートしたフードアクティビストセミナー。時間を追うごとに、ご好評 をいただき、日本各地のみならず、海外からのご参加も多く、思いがけず幅広 い人脈のコミュニティが形成できたのはうれしい限りです。 セミナーでの皆様とのディスカッションの時間は、奇譚のないご意見の交換の場 であり、共感の輪の広がりを実感する場となり、大変有意義な時間でした。 またそのコミュニティの共感の輪が、自然の流れの中でビジネスへと発展し、フードア クティビストの行動の力とはこういうものかと感じ入った次第です。主催者側とし ましては本当にありがたく、皆様に心から感謝いたします。
2022年は皆さまの熱いご期待にお答えできるようにと、2021年を超える充実し たプログラムをご用意しましました。変異コロナ禍が今年も年明け早々から猛威 を振るい、行き先不透明など幕開けとなりました。海外への渡航もままなら ず、また経済活動も自粛している状況にも拘らず、地球の温暖化に歯止めはか けられていません。 ICPP(Intergovermantal Panel on Climate Change) 「気候変動に関する政府間パネル 12021年の発表では、「気候変動の原因は人間活動にある」と断言しました。今、私 たちが行動しなければ、私たちの子どもや孫の時代には、さまざまな影響が現れ 大きな被害が出ることは必至です。 日常の生活暮らしの中でその原因となる、毎日の食を見つめ直しましょう。 私たちの食卓はグローバル化し、世界の問題が食卓に凝縮されています。 その一つ一つを紐解き、学び、考え、未来のために行動しましょう。 食を通して、未来のために行動する人を「フードアクテイビスト」と呼びます。 ぜひこの機会に、未来のために今何をすべきか、ともに学び、考え、議論し、行動し ましょう!
フードスタディーズ研究家、料理家
内閣府「地方創生SDGs産学連携プラットフォーム」分科会
『SDGsのためのフードスタディーズ研究会』代表
観光庁外部専門人材
元大阪樟蔭女子大学教授(~2021年3月)。2011年樟蔭女子高等学校、2014年大阪樟蔭女子大学に日本で初めてフードスタディーズを学べるコースを創設。教授としてフードスタディーズ教育に尽力する。その後もアジア、欧米各国の国際学会などで多数講演。日本の食文化の普及に努める。近年では観光庁外部専門人材に就任。
フードスタディーズを基軸とした青森、和歌山等の地方創生事業に携わる。
2021年には「フードアクティビスト オーガニゼーション ジャパン」を立ち上げ、社会の中で食に関する様々な問題に取り組む人々とタッグを組み、オンラインセミナー、交流会などを主催している。
01 | 4月14日(木) 16日(土) |
食のアカデミック・トレンド 「フードスタデイーズ概論」 |
今、欧米を中心に発展と進化が著しい「フードスタデイーズ」というハイブリッドな学問分野。日本におけるフードスタディーズ第一人者・元大阪樟蔭女子大学教授の田中愛子氏のレクチャーにより、フードアクティビストの源流ともなったこの学問について理解するとともに、日本の未来を展望する。 |
02 | 4月28日(木) 30日(土) |
地球温暖化の真実と 食に与える影響 |
メディアでも諸説、取り上げられている地球温暖化の現状について、さまざまなデータを元に検証。研究者の見解を聞く。さらに、温暖化が農業や漁業をはじめ、私たちの暮らしや食に対して与えている影響について最新の情報を学ぶ。 |
03 | 5月12日(木) 14日(土) |
日本の風土が育む食 〜「美食地質学」 |
日本で育まれる豊かな食材には、日本の国土の地質学的特徴が大きく関わっている。日本の自然と食についての知識を深めると同時に、そこから育まれた個性あふれる地域の食文化について、元神戸大学教授・巽好幸氏独自の「美食地質学」的観点から学ぶ。 |
04 | 5月26日(木) 28日(土) |
飢餓と食糧危機・フードロスの 因果関係を読み解く |
20世紀に急成長を始め、肥大化する世界規模のフードビジネスは、その成長の過程で「不幸のシステム」を形成してきたといわれる。大量の食糧廃棄、フードロスが叫ばれるこのこの時代に、なぜ世界で10億人が飢え、10億人が肥満に苦しむのか。そしてその背後にある格差社会も含め、最新のデータを元に考察する。 |
05 | 6月9日(木) 11日(土) |
世界視点・国内視点で見る 貧困と格差社会 |
現代のこの日本で「食の貧困」に直面する人々が増加しているという事実から、日本社会が抱える課題を探る。さらに視野を広げ、年々増加する世界の富裕層と貧困層の格差についても考察し、その未来への解決策について考える。 |
06 | 6月23日(木) 25日(土) |
里山の環境的意義について 〜日本の里山を守る |
日本特有の「里山」の環境は、生態系や食文化にも大きな影響をもたらしている。近年、崩壊が叫ばれる里山を守るための活動を続ける岐阜大学・伊藤浩二氏からの提言を聞く。また同時に、里山で炭を作り、植林を推進する石川県・能登の実例も紹介する。 |
07 | 7月14日(木) 16日(土) |
世界に広がる日本の食 「世界を制した日本のラーメン」 |
近年、世界から注目を集める日本の食について、その経済的・文化的発展理由を分析。また、アメリカ・ボストンの繁盛店”TSURUMEN”経営者・大西益央氏から現場の声を伺う。テレビ番組情熱大陸でも紹介された熱血ラーメン職人の、夢をかけたラーメン論を語っていただく。 |
08 | 7月28日(木) 30日(土) |
世界のフードビジネス・ トレンド・レポート |
世界の食ビジネスは、今どこに向かおうとしているのか?世界のレストラン、食ビジネスを見聞しているジョッシュ大西氏をゲストに迎え、欧米、アジアなど世界各国のフードビジネスの知見からの見解を語る。また、田中愛子の海外レポートも含め、国際色豊かに展開する。 |
09 | 8月18日(木) 20日(土) |
フードデザインと 食ビジネスの進化、 そして未来 |
パッケージ、フォトグラフ、PR、SNS・・・今や、フードビジネスはデザインの力なしには展開し得なくなっている。そんなフードデザインの現場で活躍するデザイナーから、食とデザインの関係、フードデザインの未来について語っていただく。 |
10 | 8月25日(木) 27日(土) |
Food Tech 1. 最新・ 発酵バイオ技術と その展開 |
世界から注目を集める日本の発酵技術について、そのリーディングカンパニーの研究者から最先端の技術について学ぶ。また、意外に知られていない日本古来の発酵食品の基礎知識についても学びを深めていく。 |
11 | 9月8日(木) 10日(土) |
アニマルウェルフエア 最新情報〜畜産現場は今 |
昨今、話題となっている牧畜産業における問題点をアニマルウェルフェアの視点から学ぶ。北里大学元教授の畔柳正氏に、家畜と人間の共生できる飼育とは何か、畜産王国・北海道の牧場の現場から最新の現状と日本の畜産の未来を語っていただく。 |
12 | 9月22日(木) 24日(土) |
日本の農業の行方を探る ~八女茶の復興と進化 |
農業者の高齢化、休耕地、消費の低下、TPPなど、問題山積の日本の農業の現状や、我が国の農業政策について学ぶ。さらに現場からの声として、九州・八女の茶畑を守りながら、さまざまな挑戦を続ける中村健一氏の活動について伺う。 |
13 | 10月13日(木) 15日(土) |
日本の水産業の現在~ 環境問題と新たな取組み~ |
今、地球環境の影響を最も多く受けているのが、水産業界であると言われている。温暖化・台風・火山噴火等が及ぼす影響は、 まさに水面下で着々と進行している。産学連携で水産業に取り組む近畿大学の現場からのレポート含め、総合的に状況を学ぶ。 |
14 | 10月27日(木) 29日(土) |
世界の生物多様性と 食のグローバリズム |
サステナブルビジネスプロデューサーの足立直樹氏をゲストに迎え、生物多様性、文化の多様性、食の多様性とは何かを考える。グローバル化の中で失われつつある自然環境、生物多様性、そして食のダイバーシティと地球の危機についての分析を伺う。 |
15 | 11月10日(木) 12日(土) |
フードツーリズム 地域の食文化と地方再生 |
今や食は地方再生の重要なファクターとして注目を集めている。地方と食について、伝統文化的な視点からスタートし、産業的、観光的な視点からのアプローチを行う。さらに、現場で活動する各地のアクティビストたちのプレゼンテーションから、その問題点と未来への展望を探る。 |
16 | 11月24日(木) 26日(土) |
裏を見て「おいしい」を 買う習慣~食品添加物と 食品流通 |
今日買ったものは安心なものか?未来の日本に残したいものなのか?その根拠となる食品ラベルの読み方など、消費者として知っておきたい食品流通の常識を学ぶ。また、安心・安全・美味なる食にこだわり続けるグランドフードホール代表・岩城紀子氏からの現場の声を聞く。 |
17 | 12月8日(木) 10日(土) |
今注目の 「オプティマムヘルス」 ~健康にも自分らしさを |
健康と一口に言っても、その状態は実は一人一人異なるもので、画一的な数値のみで測れるものではない。長年、ホリスティック医療の現場で常に先進的な活動を行う山本医師が提唱する「オプティマムヘルス」について伺い、他の人と同じ「健康」はないということについての知見を深める。 |
18 | 12月22日(木) 24日(土) |
食のダイバーシティと ウェルビーイングな未来 |
環境ベジタリアンと宗教ベジタリアンの違いとは?今や世界的なトレンドとなっている「採食」は、単純なカテゴライズだけでは語り尽くすことができないほど、進化を遂げている。ベジタリアンをはじめとする食のダイバーシティについて、その様々なスタイルや健康的な意味について考える。 |
19 | 2023年 1月12日(木) 14日(土) |
現代の食料供給システム~ フードシステム~を考える |
コンビニ、スーパー、デパ地下・・・我々の日々の食を支えている食の流通の現場では、今、何が起きているのか?オーガニック、冷凍食品、デリバリー、ゴーストレストラン等のトレンドを踏まえ、その問題点と食のシステムの未来を考察する。 |
20 | 1月26日(木) 28日(土) |
Food Tech 2. 加速する食の未来 ~代替肉・昆虫食 |
遠くない未来の食糧危機や環境破壊を見据えて、すでに始まっている新しい食材の開発。代替肉、昆虫食など、これからの時代に注目される新食材について、フードテックのベンチャー企業からその最新情報を学び、知見を深める。 |
※講義内容・講演者については、変更になることがあります。詳細は毎回、メールにてお知らせいたします。
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